推薦参考書

TOEFL®の学習に役立つおすすめの参考書を紹介します。
本講座の授業では、主にここで紹介している参考書を使用します。
参考書タイトルのリンクから、Amazonの当該ページに移動することができます(リンクには細心の注意を払っていますが、万一誤りやリンク切れなどあれば、お問い合わせフォームからご連絡いただけると大変ありがたいです)。

問題集

TOEFLの問題集は日本語でも出版されていますが、残念ながら日本語の問題集は収録されている問題数が少なく問題の質もあまり良くありません。
ここでは、定番の洋書の問題集を取り上げています。

Official TOEFL iBT Tests, volume 1, ETS, 2024

TOEFLを運営するETSが発行している公式の問題集です。
収録されている問題は実際にTOEFLで出題されたことのある過去問であり、市販の問題集のなかではやはりETS公式の問題集が最も問題の再現性が高いです。
五つのテストが収録されており、音声データなどは付録のアクセスコードを使ってウェブ上からダウンロードすることができます。
また、PC上で本番に近い形式での模試を受けることもできます。
TOEFL受験者にとっては、やはりETS公式の問題集は必携でしょう。

Official TOEFL iBT Tests, volume 2, ETS, 2024

上記と同じ問題集の第2巻です。
基本的な仕様はvol. 1と同じですが、vol. 2はSpeakingセクションの回答例を音声データで聴くことができます。
こちらも必携と言ってよいでしょう。

The Official Guide to the TOEFL iBT Test, seventh edition, ETS, 2024

こちらもETS公式の問題集で、基本的な仕様は上記の『Official Tests』と同様でSpeakingの回答例を聴くこともできます。
過去問が4題収録されているほか、本書はTOEFLの試験形式の解説や各セクションの練習問題を豊富に含んでおり、解答の解説も丁寧です。
タイトル通り、TOEFL初学者のためのガイドブックというところです。
TOEFLの問題集のなかでどれか一冊だけ選ぶとしたらこれでしょう。
ただし、当然英語で書かれているのでそもそも本書を丸ごと読み通すにはそれなりのリーディング力と時間が必要になります。

Practice Tests for the TOEFL iBT Test, third edition, Collins, 2024

非公式のTOEFL問題集としては定番の一冊です。
問題の音声データはダウンロードすることができますが、模試の形式でPC上で問題を解くことはできません。
収録されているテストは4回分で、やや物足りなさを感じるかも知れません。
非公式の問題集としては問題のクオリティは高いのですが、それでもやはり本物のTOEFLと比べると細かな形式に違いも多く、違和感を覚えることもあります。
とはいえ、公式の問題集をやり尽くしてしまった、もしくは本番直前のために公式の問題集を温存しておきたいという場合には重宝するでしょう。

TOEFL iBT Premium, eighteenth edition, Barron's, 2024

Barron'sはアメリカ国内外向けに様々な分野の学習参考書を刊行している出版社で、TOEFL対策本も非公式のものとしては定番です。
Collins同様、問題の質は非公式のものとしては高いのですが、やはり細部で本物のTOEFLと異なるところも多く違和感はあります。
また、音声データやスクリプトはダウンロードできず、公式ウェブサイトに都度アクセスして利用する必要があるのですが、これが使いにくいです。
問題の質は高いのにこの点は残念です。
なお、模試形式でPC上で問題を解くことはできません。
もっとも、テスト収録数は8題と多いですし、各セクションの解説や練習問題も収録されていて、良い参考書であることには間違いありません。
こちらも、公式の問題集をやり尽くしてしまった、もしくは本番直前のために公式の問題集を温存しておきたいという場合に活用できるでしょう。

単語帳

問題集とは事情が異なり、TOEFL対策に特化した単語帳は国内のものも大変充実しています。
良書もたくさんありますが、ここではそのなかでも代表的なものを紹介しましょう。
どれも優れた単語帳ですので、自分のレベルや学習スタイルに合ったものを選べばよいでしょう。

DUO 3.0、鈴木 陽一、アイシーピー、2000年

単語・熟語の基礎固めに最適。
単語学習の王道は例文のなかで覚えること。
本書は良質な例文を通じて重要語句を効率よく覚えられるようにデザインされています。
TOEFLに限らず、英検、TOEICなどどのような英語の試験を受けるにせよ本書の語彙は単語力の核になるでしょう。
TOEFLも80点くらいまでならこれ一冊だけでも何とかなりますが、TOEFL特有の頻出語というものもあるので、本書に慣れてきたら早めにTOEFLに特化した単語帳に移りましょう。

TOEFL必須英単語5600、林 功、ベレ出版、2011年

『DUO』などで基礎を固めたあと、もしTOEFLの最終的な目標が90点以上(もしくはReadingセクション25点以上)のハイスコアである場合には、こちらをおすすめします。
何といっても語彙数が多く、本書をやり通せば自信が付くでしょう。
TOEFLに必須のキャンパス・ライフ関係の語も充実しています。
PART 1とPART 2に分かれていて、PART 1はアカデミックな内容のパッセージが収録されており、そのパッセージのなかで単語を覚えるという構成になっています。
TOEFLで問われるアカデミックな英語に慣れることができ、CDを使えばリスニング練習にもなって一石三鳥です。
本書の欠点を挙げるなら、誤植が多いことと、TOEFLにもまず出題されないであろうマニアック過ぎる語彙が含まれていることでしょう。
とはいえ、誤植はすぐに気づけます。
語彙の問題に関しても、PART 2の主に建築と医学の語彙のうち、日本語でも意味が分からない語は飛ばせばいいのです。
また、sodium, tinなどの物質名や生物名、病名などは日本語と一対一対応させて覚えるのではなく、その語が出てきたときに「これは物質の名前だな」、「これは病気の名前だな」ということが分かれば十分でしょう。

完全攻略! TOEFLテスト英単語4000、河野 太一、アルク、2014年

こちらもとてもおすすめです。
単語の記憶を定着させるコツは、とにかくその語に様々な観点からアクセスできる取っかかりを増やすことです。
その点、本書はレベル別、分野別に単語をグルーピングしており、ひとつひとつの語に語呂合わせや語源、類義語などの豆知識を記載していて、覚えやすい工夫をこらしています。
収録語彙数も多いので、ハイスコアまで狙えます。

TOEFLテスト英単語3800、4訂版、神部 孝、旺文社、2014年

旺文社といえば学習参考書で有名な出版社であり、日本語のTOEFL対策本として言わずと知れた「TOEFLテスト大戦略シリーズ」もここです。
本書もこのシリーズの一冊で、TOEFL単語帳としては定番です。
例文が多いのは助かりますが、本編の単語の掲載順にあまり規則性がないのが気になります。
別冊付録の小冊子は、アカデミックな内容の日本語のパッセージのなかで分野別に単語を覚えられるようになっており、こちらは使いやすいです。

熟語帳

熟語(イディオム)は単語と比べるとどうしても地味で後回しにされがちですが、TOEFLを攻略するためにはそれなりの熟語の知識も不可欠です。
おろそかにしないようにしましょう。

システム英熟語、5訂版、霜 康司・刀祢 雅彦、駿台文庫、2019年

熟語を覚える秘訣は、単なる語の羅列ではなく、中心となる語や前置詞、類似表現などの関連を意識して、グルーピングでまとめて覚えることです。
本書はこのようなグルーピングを意識した構成となっていておすすめです。
受験参考書としても有名な一冊です。

英熟語ターゲット1000、5訂版、花本 金吾、旺文社、2021年

こちらも、大学受験参考書として定番の熟語帳です。
重要なイディオムが網羅的にカバーされています。
ただこれは個人的な感覚かも知れませんが、昔の3訂版の頃のレイアウトの方が、熟語のグループ分けが明瞭で分かりやすかったような……?

コレ以上やる必要はない英熟語1000、長野 順一・阪元 利和、KADOKAWA、1999年

上のふたつの熟語帳は大学受験レベルを想定しているため、さらに進んでTOEFLでReadingセクション25点以上のようなハイスコアを目指す場合には力不足です。
本書はTOEFL上級に最適なレベルで、構成は語形や意味のグルーピングを強く意識して体系的にまとまっており、細かいところに手が届く注釈にも好感が持てます。
非常に使いやすい良書です。
残念ながら現在絶版なので、見つけたら買いましょう。

文法書

総合英語Evergreen、川崎 芳人・久保田 廣美・高田 有現・高橋 克美・土屋 満明・Guy Fisher・山田 光、いいずな書店、2017年

大学受験英語の文法書と言えばおそらく一番有名な参考書でしょう。
評判通りの優れた著作です。
TOEFL対策としても基本の一冊としておすすめです。
色々な文法書をハシゴするよりも、本書を繰り返し読み込む方が有益。
内容はスタンダードな構成になっています。
「そもそも~とは?」というところから丁寧に分かりやすく説き起こし、初級~中級レベルの文法知識が過不足なく身につきます。
中・上級者にとっても応用編の記述はなかなか侮りがたいものがあるので、その辺りを中心に読み返すと色々発見があるはずです。

一億人の英文法、大西泰斗・ポール マクベイ、東進ブックス、2011年

こちらも説明不要の名著です。
読者の素朴な疑問に答え、英語の根源的な構造を感覚的に分かるように説明する、かゆいところに手が届く一冊。
基本的には初級者向けに書かれていますが、中・上級者にとっても目から鱗が落ちる記述が多くあるはずなので、なるべく早い段階で一度は目を通しておくとよいです。
ネイティブライクな例文も、中・上級者にとってはむしろ好都合でしょう。
また、文章、レイアウト、イラストなどすみずみにまで読みやすさのための配慮がなされていて、内容が自然に頭に入ってきます。
ただ、内容の構成や用語が独特なので、他の文法書との互換性や深い文法的な理解には問題もあります。
そのため、他の文法書と組み合わせて読むことで真価を発揮するでしょう。

徹底例解ロイヤル英文法、改訂新版、綿貫 陽・宮川 幸久・須貝 猛敏・高松 尚弘、旺文社、2000年

Evergreenなどの大学受験用文法書で物足りなくなってきたらこちら。
英語のプロもしばしば参照する網羅的な文法書です。
文法学者になるのでもなければ、英文法に関してはこれ一冊で一生困らないでしょう。
文法で分からないことがあったときに確認するという仕方で、辞書的に使うのが基本です。
しかしTOEFL Readingセクションで25点以上を目指す上級者は、時間が許すなら、本書を一度は通読することをおすすめします。
時間はかかりますが、それに見合う価値はあります。